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イースター島でとにかく驚いたのが一日の長さだった。日の出が7:30で日没が21:30。時計を見ると16:30で「今日の観光はもう終わりだな」と思って空を見上げると太陽はほとんど真上にあって足元にはお団子みたいな丸っこい影、なのである。その気になれば21:00くらいまで観光できるしゆっくり晩飯を食ってから夕陽を見に行くこともできる。チリ本土とはきちんと時差を設けているにもかかわらずこの時間設定。チリ政府はいったいなにを考えているのだろうか。
見ごろにはまだ全然早い19:30に夕陽の名所アフ・コテリクへ行ってみるとゴツいカメラを持った日本人女性に遭遇した。 「20:30からここで日本人の結婚式があるんですよ。見に来てください」 彼女はその様子を撮影しに来たプロのカメラウーマンで、結婚情報誌の海外ウェディング特集に載せるのだという。 実を言うと俺はその日に日本人カップルがイースター島で挙式することを知っていた。出発前にインターネットでイースター島の掲示板を見ていたら本人がそう書き込んでいたからである。でも何時にどこでやるのかがわからず、どこかでそれらしき集団と遭遇したら見させてもらおうと考えてレンタカーで島内を普通に観光していたのだった。 「夕方にやるんですか。昼間だと思ってました」 ここでやるのならクソ暑いだけの真っ昼間より夕方のほうがいいだろう。夕陽に染まるモアイをバックに結婚式。いったいどんな式になるのだろうか。
宿に戻ってシャワーを浴びて、ハン君とキャサリンを連れてアフ・コテリクへ戻ってみるとちょうど式がはじまるところだった。現地人ダンサーたちに囲まれてボディペインティングをした新郎が行進している。何も知らずに夕陽を見に来た観光客が一行を取り囲むようにしてついていく。同じように新婦も入場してきて歌とダンスがはじまる。オールブラックスが試合前にやるような騒々しく勇ましいポリネシアンダンスである。 「日本人?」 新郎を指さしてハン君が言った。顔を塗ってしまっているので日本人かそうじゃないのか区別がつかないらしい。 「あーーー。うん。日本人だなあれは。新郎も新婦も日本人だよ」
モアイの前で結婚式。ふざけているわけではない。島の結婚式も同じようにモアイの前でやるのだ。一週間後には島民同士の結婚式があるのだという。島中のほとんど全員が集まってめちゃめちゃ盛大にやるらしい。そっちのほうも見てみたい気がする。
二次会?の会場でタダ飯タダ酒タダ果物を豪快にかっくらいつつインタビューを敢行した。 俺「どうもこのたびはおめでとうございます」
俺「どうしてここで結婚式やろうと思ったんですか?」
俺「イースター島で結婚式やるって一番最初に聞いたときにはどう思われました?」
新郎「もう一度ゆっくり来たいですね。今度はタヒチ経由で」
「次はタヒチ経由!」を力説していたのがなんとなく面白かったのだが、これにはちゃんと理由があったことを日本に帰ってから知ることになる。アメリカ経由の旅程を組んだ彼らは、リコンファームをしたにも関わらずリマ〜サンチャゴ間とサンチャゴ〜イースター島間の予約がキャンセルされていたのだそうな。ニューヨークで事態が発覚した時には「イースター島が〜!!!」「結婚式が〜!!!」と頭の中を駆け巡ったそうです。 タヒチ経由でよかった・・・。(帰りのリコンファームをしてなかったけどちゃんと乗れた)
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