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四日間朝から晩までレンタカーで飛ばしまくっていたらさすがにほとんどの名所を見終わってしまった。「見るぞ」モードから「やるぞ」モードへシフトチェンジする時期だ。 フロントガラスと屋根がない状態でイースター島を走り回ってみたいと思った。青い空、白い雲、青黒い海、草千里のような山と草原、そこいらじゅうにいる馬と牛、そしてモアイ。こんな環境を原チャリで走り回ったらさぞかし気分がよかろう。しかし、イースター島のレンタル屋に原チャリはなかった。メインロードをはずれるとダート道ばかり。そんな島で原チャリを貸しても元手を回収する前に壊されてしまう。あるのは125CCのオフロード車ばかりだった。俺は中免を持っていない。国際運転免許証は持っていて、中身なんてろくにチェックしないから借りようと思えば借りることはできた。 バイクの操縦方法を知らないんだから借りても運転できん。 あきらめかけたその時、ゴツいバギーカーが目に入った。耕うん機の屋根をとっ払って全体を小さくしたような四輪駆動車である。聞いてみるとギアはあるもののクラッチはなく、スピードが上がるに連れてシフトアップしていくだけでいいらしい。それならチャリンコと一緒だ。 よし。これでいこう。
店のオヤジは「最高時速60km」と言っていたけれど多分そんなには出ない。45km/hがせいぜいだろう。エンジン音がうるさいことを除けば特に文句はない。四輪だから安定性は抜群で立ち乗りをしようが横座りをしようがきちんと前へ進んでいく。 こいつはなかなか楽しいじゃないか。 海と牛が見える平原に停まって写真を撮った。さぁ行くぞ!・・・あっ。 どうやってエンジンかけるんだったっけ? ギアチェンジにばかり気を取られていてエンジンのかけ方をきちんと聞いていなかったのである。(オヤジはちゃんと実演しながら説明してくれていた)適当にいじくりまわしてみるがもちろんエンジンはかからない。バイクとは構造が違うのか、押しても引いても全く動かない。動かせない。助けてもらおうにも周囲には馬と牛とモアイしかいない。 そのうち誰か来るでしょう。
待つこと五分。白い四輪駆動車が坂を登ってやってきた。道の中央に立ちふさがり両手を振ってクルマを停める。白人夫婦に幼児が一人。観光客のようだ。地元民がいいのだが贅沢を言える状況ではない。白人パパを外へ連れだし事情を説明する。 「ああこれか。大昔に乗ったよ。あれ?ヒモがないな」 白人パパはモーターボートのエンジンを引っぱるような仕草をしながら言った。そんな簡単な方法ならいくらなんでも忘れない。三分ほどあちこちいじくりまわし、もうそろそろ「ゴメン。俺わかんねえや」とサジを投げられる頃だなと覚悟したところでエンジンランプが突然点灯した。あっ!確かこれでここのボタンを押せば ブルルン!!!どどっどっど・・・・・ うひょぅ!父ちゃんあなた偉いよ!お互いに両手をバチン!と叩き合い、握りつぶされそうな外人式の握手をして別れた。騒音まじりのさわやかな空気の中をノーヘルでどこまでも走っていく。髪が風に揺れる。とても気分がいい。トラブルを解決したあとはいつだってそうだ。
助けられたばかりではなく、俺も何人かの旅行者を助けている。ヒッチハイカーを片っ端から乗せてやっただけなのだが。長い長いダート道を二人で歩いている日本人カップルを見つけたときには感動のあまり「乗んなよ!」とこっちから声をかけていた。俺が泊まっていた一泊15ドルよりも更に安い10ドルの民宿に泊まっていた二人は会社を辞めて旅に出て一年以上日本に帰っていないと言った。その割には服は汚れていないし髪もきちんと整えられている。 「一年・・・ってことはワールドカップの時に日本にいなかったんですよね?」
おおそいつはすげえぜ。なんてことは思わない。期間中、日本にいながらワールドカップを一試合も見なかった超人を一人知っているからだ。
パペーテ(タヒチ)の街で日本代表8番のユニフォームを着た地元女子高生に遭遇した。それにしてもどうして森島なのだろう?
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